塚本高史/Movie

スマイル

塚本高史 2009. 3. 2. 14:48

 

이것도 보고싶긴 하지만-

츠카가 쪼끔 나온다는걸 알고 있어서 뭐...

 

 

久しぶりにボロ泣きさせられた。(ToT)


スマイル

2007年に公開された映画「スマイル」について語ろうと思う。


で、冒頭にあたり ひとつだけハッキリさせておかねばならないのは この映画は私が個人的に巡回させていただいている映画評のサイトやブログでは ごく僅かな好評な感想を述べる方を除き、ともすればボロクソにクソ映画と酷評する方が圧倒的に多い。^^;


私の場合、この映画から いくつか想起させられる記憶などがあり、そのおかげでボロボロに泣かされたのだが、だからと言って もし、私が個人的記憶や事情が無かったとしても 私はこの映画に対して好意的評価を高くあげたいと思っている。


【注意!!】

 以降の記事本文には作品ストーリーのネタバレが多く含まれておりますので 映画本編を未見の方は 是非、先に本編を御覧になる事を強くお薦めします。




この映画のストーリーを考える時、ともすればネックとなるのはヒロイン的存在の女の子が白血病に冒される点にある。


日頃、私は難病を 観客を泣かせる為だけのお涙頂戴アイテムにしか用いていない映画やドラマや小説は唾棄すべきクソ扱いとして酷評する事にしているわけだが、では この映画ではどうなのか? この点に関して 私はこの映画の監督である陣内孝則に免じて この作品に関しては良しとしようと思った。


この映画には 他のサイトで酷評される様にツッコミどころは過分にある。


が、私には そのツッコミどころを補って余りあるぐらいに良しと感じる部分がある。


その為にまず、述べておかねばならない事は…


スマイル

この映画の舞台となったスケートリンク


この映画の中では「星屑町」として描かれたのは 札幌市の北西にある「手稲区星置(ほしおき)」という場所で このスケートリンクは一般的には「星置スケート場」と呼ばれているが 正確には「江守記念星置スケート場」


かつて「江守栄作」という人が個人で建設し 札幌市に寄贈した事から「江守記念」となっている。


この「江守栄作」という人物に関しては名前をキーワードにしてネット検索すれば その人となりの概要は掴めると思うが、学生の頃はフィギュアの名選手として その後、アイスホッケーの名プレイヤーとして活躍していたが、不慮の事故により片足を切断 選手生命を絶たれた過去を持つ。


その後、江守さんは実業家として成功しつつ アイスホッケーやフィギュアの選手を夢見る子供達の援助を惜しまず、諸説は色々あるけれど 自分の故郷である札幌のスケート選手への 札幌市の支援のあり方や各種スケート競技の連盟のあり方などに憂い、自らの個人資産で一年を通してアイスホッケーやフィギュアが練習できるリンクを建てて後進の指導者達に範を示した人でもある。


実は、あくまでも個人的な話だが 私は数回だけ この江守さんと会い、貴重な話をいくつか御教示いただいた事がある。


まず、このブログの別の記事(喫茶「職安」)で何度も「屯田兵の御隠居」と称した爺さんが江守さんと懇意で その関係で御隠居亡き後は喫茶「職安」の常連筆頭だった運送屋のNさんも江守さんと懇意にさせて頂いた事。


それと、これまた不思議な偶然だが 私や嫁の中・高生時代の同級生で 高校生の時に白血病で亡くなった「亡き友」の親父さんが この江守さんと懇意だった。


それらの関係で 江守さんが このスケートリンクを建設されている頃に 私はNさんや「亡き友」の親父さんのお供で同席させて頂き 御言葉を頂戴した事がある。


その当時、江守さんは80過ぎの高齢ではあったが 明治生まれ特有の柔和な表情の中に目だけは笑っておらず、固い信念の持ち主だった事だけは今でも覚えている。


正確な言葉を覚えているわけではないのだが、


「子供達がスケートに慣れ親しみ 気安く手軽に練習できる場所を設けずして

 世界に通用する選手を育てられるわけが無い。」


たしか、そういう内容の事を 静かに、でありながらハッキリと「亡き友」の親父さんに篤く話しておられるのを横で聞いたのだ。


江守さんは スケートリンクが完成して2年経つか否かの時期に他界されたが、その時に江守さんが懸念されていた事は悪い意味で現実となり 今では自治体のマヌケな小役人共のお陰で生じた財政赤字解消の為と称して スケートリンクの数が激減しているのを江守さんは草葉の陰で どんな思いで眺めておられるか…


…と、ここまで述べれば 以前からこのブログの記事を読んで下さっている方々には さぞかし、容易に御想像がついている事と推察する。^^;


そんな江守さんのスケートリンクが舞台で ヒロインの女の子が白血病…


この映画が制作される事になり、制作に協力したフィルムコミッションに属する旧知の方やアイスホッケーの連盟関係者から ストーリーのあらましを聞き、私は


「もし、この映画が出来損ないだったら いろんな意味でショックを受けるだろうなぁ」


と、思ってしまったばかりに 劇場に足を運ぶ事が出来ず、複数の関係者が別個に進呈してくれたDVDも机の上に未開封のまま放置して ごく最近まで見る事が出来なかった。


で、先日…


今年の夏 遊びすぎたせいで このところ体調が優れず、二代目の病院に日参して点滴を受けたり、馴染みの看護師さんや薬剤師さんと雑談して過ごしていたところ ある日、主治医である「二代目開業医」が ズル休みをして病院をサボったと聞き、彼の携帯に電話をしたところ


「ダメだ 俺は心が壊れた(ToT)

 こんな気持ちにさせられたのはTV版「世界の中心で、愛をさけぶ」を観て以来だ

 悪いけど、せめて今日一日は このDVDをプレイ&リバースに没頭させてくれ…」


いい歳こいたオッサンが電話の向こうで泣いている。^^


「何のDVD見てるの?」


私が そう聞くと


「陣内孝則が監督した”スマイル”って映画のDVD…

 オマエもとっとと家に帰って このDVD見ろ!

 たぶん、俺がどういう状態で 何を言いたいかが判るから」


なので、早速 帰宅した私は机の上に放置してあったDVDの封を切り、観た、そして壊れた。(ToT)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スマイル(その2)


今回は 何故、ボロ泣きさせられたのか?について語ろう。




【注意!!】

 以降の記事本文には作品ストーリーのネタバレが多く含まれておりますので 映画本編を未見の方は 是非、先に本編を御覧になる事を強くお薦めします。




私は「陣内孝則」という人物が大好きである。


とはいえ、彼がロッカーだった頃の事は殆ど知らず、彼を初めて知ったのは1986年の二つの倉本聰作品からである。


最初はフジ系で放映された連続ドラマ「ライスカレー」で 主人公(時任三郎)の幼馴染みで同じ野球部出身 いい加減な先輩(北島三郎)の口車に乗せられ 主人公と共にカナダにライスカレーの店を出すつもりで渡るが 頼りの先輩は友人の女房と駆け落ちし、途方に暮れる。


この時に陣内が演じた女癖が悪く、いい加減で しかしながら母親の死に見せた苦衷… その演技に私はすっかり魅せられた。


で、同じ年に公開された「時計 Adiue I'Hiver」では 陣内が演じたのは主人公(中島朋子)の母親(いしだあゆみ)の友人であるオカマ


だが、このオカマ キメのシーンで男に戻り、恐ろしく渋い台詞をバシッと決める。


そのシーンで私は 腹の底からシビレた。


その後、いわゆるトレンディ・ドラマなるものに出演し いつしか軟派なオチャラケぶりが定着したけれど 1998年にフジ系で放映された「眠れる森」で ストイックな個性派ぶりをいかんなく発揮し 私は再びシビレた。




さて、ここでひとつ注目すべきは かつての倉本聰における作品の一番の魅力は


「脇役に適材のキャストを配し それぞれの個性をキッチリと際立たせて輝かせる」


という部分だと私は感じている。


ゆえに、「前略おふくろ様」では 主人公はもとより、半妻(室田日出男)、利夫(川谷拓三)など 脇の役者達が私は大好きだったし、「北の国から」で言えば 草太や正吉が大好きなのである


で、勝手な摺り合わせと思われても結構だが 陣内孝則が監督した過去の2作「東京★ざんすっ」「ROCKERS」も含めて 陣内はキャスティングに関して そんなかつての倉本イズムを継承していると私は思う程 良いキャスティングと それぞれにキラッと光る場面を与えているところに 物凄く好感を抱く。


で、今回の「スマイル」のキャスティングだが…

スマイル

(たぶん)主人公である「森山未來」


ここでひとつだけ断りを入れさせてもらっておくと…


私は「森山未來」という役者は嫌いじゃ無い というか、むしろ好きな若手俳優の一人である。


が、この「スマイル」に関して苦言を述べる部分があるとすれば この「森山未來」が演じた青年の過去、特にタップダンスに関するエピソードは 結果的に全く必要が無いと私は思う。


と、同時に この「スマイル」を酷評する人々の意見の大半もそこにある。


問題は そのエピソードで激しくつまらなく感じるか、私の様に別の部分で感動し そんなものはどうでも良いと考えるか… そこが私の感想の違いだ。


で、主人公の婚約者に


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「加藤ローサ」


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「加藤ローサ」の父親でスケートリンクのオーナーに「モロ師岡」


この「モロ師岡」が見せる 一人娘の親父の様は 年頃の娘を二人持つ私に激しく共感を抱かせる。




さて、この映画には友情出演で


スマイル

「松重豊」


 

 

얼레? 원래 이렇게 큰 사진이야?;;; 

 

「塚本高史」


スマイル

「玉木宏」達が出演しているが、中でも際立っているのが「寺島進」の存在だ。(後述する)




スマイル

主人公である女の子「岡本杏理」は小学生ながら フィギュア選手として有望な素質の持ち主だったが…


主人公の男の子と知り合い、互いに惹かれ合うのと同時に白血病を発症し入院する。


主人公を含めて 病に倒れた女の子に好意を抱く弱小ホッケーチームの子供達は自分達が試合に勝ち進む事で それが女の子への励ましに繋がり、自分達の奇跡で女の子にも奇跡(回復)を起こそうと祈り勝ち進む


で、試合に勝つ毎に 女の子が入院している病室の外から夜中に大声でエールを送る子供達を病院の警備員(寺島進)が止めさせようとする。


スマイル

しかしながら、子供達が勝ち進むのに対して女の子の病状は悪化し いつしか無菌室である別の病室へと移され いつもの様に勝利の報告と応援エールを送りに来た子供達は そんな女の子の状況を知らず、つい先日までの病室が無反応な事に途方に暮れ その様子から事情を察した警備員は態度を一変させ 女の子が移った病室の窓の外へと子供達を誘導する。


スマイル

この警備員役に「寺島進」を起用したのは私にとって大いなる反則だ。


だって、この後のシーンで見せる寺島の様は 寺島ならではの味であり、寺島の持っている魅力を最大限に発揮させたシーンだと私は断言するからだ。


そして、このシーンにも 私はかつての倉本イズムを陣内が継承したと垣間見る。


それは「北の国から」の連続ドラマ版の終盤(23話だったと思う) 純と蛍が母親の葬式に出る為に東京に行き、母親の情夫である男(伊丹十三)から履いている靴がボロボロだからと新しい靴を買って貰う が、純と蛍は 靴屋で捨てられた靴は自分達の父親が泥だらけになって稼いだ金で買ってくれたもので愛着があり、後になって靴屋に行き、靴屋の前のゴミ捨て場を探している所を不審に思った警官(平田満)が問い質すシーン


この時の警官(平田満)が後に見せた様と、「スマイル」における警備員(寺島進)の様には いろんな意味で相通じるものがあり、どんなに私が頑固で偏屈なオッサンだからといって そんな私でありながら「こういう男でありたい」と願う人物像


ヤラレたよ陣内…


「北の国から」まで思い出しちゃって泣かされたよ。(ToT)




で、ついでにもうひとつ言えば


倉本聰の映画「時計 Adieu I'Hiver」は かつてフィギュアのオリンピック選手だった母親と 同じオリンピックに出場し知り合ったアイスホッケー選手だった父親との間に産まれたひとりの女の子がフィギュア選手として成長し… というのが、冒頭の概要である。


そう、ここでもフィギュアとアイスホッケーの合体 だからといって、陣内の「スマイル」が倉本のパクリでは一切無い。


むしろ、「時計」をはるかに超えたティストの作品だと私は感じている。




さて…


スマイル

真の意味で「スマイル」の主人公の一人とも言える女の子が白血病に倒れる…という筋書きは このブログに集う「セカチュー症候群」の方々には ある種のアレルギーを生じさせるかもしれない。


しかし、そんな方々に 敢えて私は


「グダグダ言ってないで 騙されたと思って観ろ!」


と、言いたい。


観た上で「ブタネコの野郎に騙されたよ」と思うなら そう思ってくれても構わない。


しかしながら、たぶん ほんの僅かであっても 私と同じ様に何かが壊れ、セカチュー症候群がぶり返す方もおられると私は信じているし そんな方と私はあらためて熱く語り合いたいと思っている。


ちなみに、この女の子を演じた


スマイル

「岡本杏理」という女の子は


セクシーボイスアンドロボ

セクシーボイスアンドロボ

「セクシーボイスアンドロボ」の最終話で「私は私」を貫く転校生を演じた子でもあったのね。^^


詳しくは「セクシ-ボイスアンドロボ 考」を御参照願うとして概要だけを言えば この岡本杏理という女の子が演じた役で私は二度惹き付けられた事になる。


ゆえに、この子の今後をじっくりと注目し眺めてみたいと思っている。




それと どうしても述べておかねば鳴らない事がある。


それは…

スマイル

ファンの方には申し訳ないが 私は今まで「坂口憲二」という役者を好きになれずにいた。


その好きになれない理由についてはあえて述べずにおくが、この「スマイル」を観て 台詞無しの表情だけで良い演技が出来る男なんだな…と 認識が一変した。


スマイル

スマイル

で、勝手な想像で語らせて貰うと この演技を引き出したのは監督である「陣内孝則」の演出の妙だと私は思っている。


ゆえに、演出家としての「陣内孝則」を高く評価したいと思う理由のひとつでもある。


で、最後に…


スマイル

「原田夏希」をもってくるキャスティングを私は最高に評価したい。


陣内よぉ、どうして 俺の個人的ないろんなツボを刺激しまくるのかね?


これじゃ、どんなに多くの人がクソ映画呼ばわりしようとも 少なくとも俺だけは未来永劫「この映画は傑作だ!」と言い張るぞ。

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