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タイガー&ドラゴン 第1話

塚本高史 2007. 11. 20. 23:33

タイガー&ドラゴン 第1話

『芝浜』

本日の演目は『芝浜』。

酒好きの魚屋が河岸で大金の入った財布を拾った。
大喜びで酒を飲んで散財。
女房は「拾った財布は夢だった」と財布を隠してしまう。
反省した魚屋は、酒を断ち仕事に精進する。
3年後には店を持つまでになった。
そこで女房が告白し、あの時の財布を出してくる。
「実はあんたの酒癖を治すために、私が拾った財布をかくしておいたのさ」

八十二文化財団さまより)

高座に上がり、客席に向かって語りだす小虎(=虎児)(長瀬智也)。

「今年の初めに林屋亭どん兵衛師匠(西田敏行)に弟子入りし、
 小虎というありがたい名前を頂戴いたしました。
 ところが、私にはあまり人には言えないもう一つの顔がございまして、
 新宿新宿流星会という組に所属する、ひらたく言えばヤクザで
 ございます。
 こっちはもう10年以上やっている。落語で言えばもうすぐ真打。
 昼は噺家、夜はヤクザ。
 という按配でまぁ、兄さんたちにはね、
 『お前は落語会のジギルとハイドだね』なんて言われまして、
 ブァッハッハッ!」


寄席と同時進行で流れる画面。
竜二(岡田准一)は『ドラゴンソーダ』のアルバイト・リサ(蒼井優)に、
店の経営のことに口出しされ怒り出す。

師匠は虎児に息子に甘いと指摘され、仕舞には怒り出し、
「高座に出て客を笑わせてみろ!」
師匠に言われ、虎児は返す言葉がない。
ここで映像は舞台の上の虎児に戻ります。

「・・・とまあ、どやされまして・・・。
 でまぁ、ここにこうやって、いる訳ですね。
 という訳で、始めさせていただきます。
 タイガー&ドラゴン!」


寄せの前の看板に貼られた虎児のポスターには
『世紀末の大形新人!!』と書かれていました。(笑)


『寿限無』を披露する虎児。
だが、間違いを客に指摘される始末。
「海砂利水魚のクリームシチュー」と間違えたり、
同じ所でループしてしまったり。
客にも呆れられる。

虎児は組長(笑福亭鶴瓶)に銀次郎の様子が変だと相談される。
銀次郎は、ハトバスツアーのガイド・メグミ(伊東美咲)に
はまり込んでいたのだ。
観光中、銀二郎に「殺すぞぉ!」と凄まれたおばあちゃんに、
 「殺しませんよぉぉ!」と声をかけるめぐみ。
その言い方がすごくツボでした。(笑)


次の題目は『芝浜』に決まったと、師匠に言われる虎児。
翌日、師匠の『芝浜』を見て早速勉強。
オレオレ詐欺を交えながらの今どきの『柴浜』。
お客さんも大満足。
西田さんの語り、流石です!!


感動した虎児は、それを竜二に伝えたくて話すが、
「その話、知ってるから。相変わらず話が下手くそ!」と言われてしまう。
そして、見事に『芝浜』を語り始める竜二。
チビT(桐谷健太)と竜二の間隙ぶりに、竜二は途中で話を止めてしまい、
そこから、店番をするリサの話になる。

店のことを口出しされ怒った竜二は、
「そんなに金が欲しいなら、キャバクラでも風俗でも行けばいい!」と
言ってしまう。その後、フォローのつもりで言った
「指名してやるよ。」がリサの逆鱗に触れ、
店のTシャツをはさみで切り出してしまう。
リサの頬を殴る竜二。リサも竜二に平手打ち。
そして今まで何回「ブス」と言われたかメモしていた手帳を見せ、
店を飛び出して行く。

「今までの経験からいうと、男。
 給料払えなかったのは1度や2度じゃないんだけどさ、
 それでも文句言いながら働いていたんですよ。
 けど男出来ると、もうだめ。
 無断欠勤するは、店の金を持ち出すわ。」
リサの男運の無さを虎児に話して聞かせる竜二とチビT。
竜二は虎児にそれとなく探りを入れるよう頼む。

虎児を探し『ドラゴンソーダ』にやってきた銀次郎。
虎児に「何か買ってやれ」と命令され、ハンガーにかかっている服を
全てレジの上に乱暴に乗せる。
「お前みてーなダセーやつに着てもらいたくねー!」
竜二は怒って店を出ていく。

好きな男に店の金を持ってくるよう言われたリサ。
店に戻りレジを開ける。だがレジには大金はなく・・・。
その時、店に落ちていた財布を拾い、それを持ち出す。

借金の取立てに行った家で、『芝浜』を練習する虎児。
だがなかなか思うとおりに出来ない。

師匠に「私の『芝浜』を聞いてどう思った?」と聞かれ
「泣いた笑った感動した!」と答える虎児。
一番胸にぐっと来た場所は?と聞かれ『女房大明神の辺り』と答える。
「だったら、そこ以外は全部捨てちゃいな。
 あの話を全部ちゃんとやろうとしたって、あんたにはまだその力がない。
 だから無理はしないで、一番ここを聞かせたいんだってとこを
 一生懸命がんばれが、お客はちゃんとわかってくれる。」
とアドバイスする。

早速自分の『芝浜』を披露する小虎。
客も小虎の話に惹きつけられる。だがその時、携帯のベルが鳴り・・・。
それは小虎のものだった。
客はあきれ返り、帰っていく。

虎児と竜二は、リサを呼び出し一緒に酒を飲む。
男のことをグチるリサ。
「お前は利用されている!」竜二も一生懸命アドバイスする。
「待ってればそのうちに現れる。
 優しくて金持って、ちゃんとわかってくれる男が!」
「目が覚めました。」竜二の言葉を素直に受け取るリサ。

その帰り、リサは一度は持ち逃げしようと思った財布を、
思い直して交番に届ける。
そしてそこで、財布の持ち主・銀次郎と出会い、惚れてしまう。

屋台のおでん屋で飲み直す、竜二と虎児。
「落語やれよ!」虎児は竜二にそう言う。
竜二の才能を見抜いてのことだった。
「親父に頼まれたんですか?」虎児に反発する竜二。

「お前さ、服屋って楽しいの?
 やりたくてやってんの?
 お前いつもさ、あの店にいる時イライラしてるからさ。
 なんか無理に落語から逃げているのかなーと思って。
 落語からっていうか、親父からっていうか。」虎児がそう言うと、

「好きなことをやんのが、そんなにエラいんですか?
 好きだったものを嫌いになったら、
 また他に好きなことをみつけるしかねーじゃん。
 あんたはどうなの?ホントに落語好きなの?
 ヤクザに嫌気がさしてイライラしてる時に、
 たまたま落語に出くわしただけじゃないの?
 オレはあんたみたいに中途半端な気持ちでやってない。
 はっきり言いますが、ヤクザに噺家なんか無理」
その時、虎児のパンチが飛ぶ。
虎児の怒りはおさまらず、屋台をひっくり返してしまう。
「おめ~に俺の何がわかんだよ!」
ひぇぇ~!おでん屋さん可愛そう!迫力ありました~!
竜二と虎児のお互い理解出来ない部分。
こうやって衝突しながら、二人はお互いを認め合っていくんでしょうね。


自宅に戻った竜二。家族の一家団欒に苛立ち、八つ当たり。
そんな竜二に、父竜平が語ります。
「あの男はなぁ、とんでもない苦労をしているんだよ。
 お前さんなんかとは大違いだ。
 わずか12歳だぞ!子供がさ、目の前で両親に死なれてるんだよ。
 しかも、借金を苦にした心中だよ。
 それ以来それがショックで、笑うことを忘れちまったんだ、あの男は。
 行く当てもねぇ。親もない金もない。
 そんなアイツを拾ったのが
 なりたくてなったんじゃない。
 ヤクザしか、なるもんがなかったんだよ。
 そんな男が、私の話を聞いて、笑ってくれたんだよ。
 恩人である組長にお別れをして、俺んとこ来てさ、
 噺家になりたい、弟子にしてくれって。
 俺は断ったよ。荷が重過ぎるから。
 私だって立派な人間じゃないんだし。
 それでもアイツは聞かないんだよ。大した覚悟じゃないか!
 お前さんとは大違いだ。
 生半可な気持ちじゃないんだよ、あいつは。
 あいつはな、本当に孤独な男なんだ。
 お前さんも、孤独決め込んでこの家を出たけど、
 しょっちゅう帰ってくるじゃないか。
 帰ってきたら悪態ついて、人傷つけて。
 そんなことばっかりしてると、お前本当に、
 誰からも相手にされなくなるぞ。
 孤独な男の末路はな、孤独死だぞ。」

「実の息子にそこまでいうか!」父親を突き飛ばしてしまう竜二。
「実の息子はな、実の親にそんなことはしねーんだよ!」
竜二の頬をたたく父。母は泣き出し、竜二は家を出ていく。

翌日。リサは竜二に昨晩の運命の出会いを報告する。
「本当によかった。ネコババしなくて!
 きっと神様が、私があんまり可愛そうだからご褒美くれたんですよ。」
竜二に嬉しそうに語るリサ。
だが相手からまだ連絡のないことを知り、
「お前夢見たんじゃねーの?」
「えー!?だって握手しましたよ!」
「だからそれも夢だって!
 じゃあお前、そのあとどうやって家に帰ったか覚えてるか?」
竜二にそう言われ、リサは次第にその言葉を信じるようになる。

虎児は銀次郎の腕にある見覚えのあるタトゥーを見せられ、思わず
「うぉっほ!」と叫ぶ。
銀次郎の恋の相手があのメグミと知り・・・。

虎児はメグミと銀次郎を呼び出し話し合う。
田舎から又出てきたことを説明しだすメグミ。
虎児は銀次郎を外に出し、
「夢だと思って諦めろ!」と説得。
「お前と同じタトゥーを入れてる男を、俺が知ってるだけで
 5人、いや6人いる。
 お前は、新宿流星会の2代目だ。
 女に振り回されるな!女を振り回す男になれ!」
「・・・わかりました。」銀次郎はそう答え、帰っていく。

虎児は店に戻り、メグミに
「悪いけど俺はお前みたいな不思議な女を姐さんなんて呼べねー。
 あいつヤクザなんだよ。しかも将来、組を背負って立つ2代目。
 俺はそこの下っ端で、教育係で。
 わかったか。お前あいつと二度と会わないでくれ。」
凄む虎児に
「それって、束縛ですか?
 別にいいけど。じゃあ今度、いつ会ってくれます?」
口に含んだ水を吹き出す虎児。
「・・・俺?」
「そう、アナタ。」にっこり微笑み、
「携帯、何番?なんばんー!?」虎児に甘えるメグミ。

高座に上がる虎児。虎児の『芝浜』が始まる。
「タイガー・タイガー・じれっタイガー。
 ・・・
 え~~~~。お笑いを一席。
 あ、その前にみなさん、携帯電話の電源をお切り下さい。」

「テメーに言われたくないよー」客の声に笑い出す観客。

「え~。反物屋の若旦那に、りゅうという男がおりまして。
 タチの悪い女郎のせいで、体に彫り物を入れてしまったという、
 バカな男。
 その反物屋に、リサという娘がおりまして、
 この娘、根は真面目なんだが、惚れっぽい。
 ちょっと様子の良い男がいると、赤ん坊だろうが老人だろうが
 ころっと騙されてしまう。
 それが、ひょんなことから、りゅうの気の合わない幼馴染、
 ヤクザもんの銀次郎と出会ってしまった訳です。
 また仕事に身が入らなくなっちまうってんで、 
 『お前悪い夢でも見たんじゃないの』と一度は騙したんですが・・・。」


携帯メールの受信確認をするリサ。
運命の人からのメールは届かず、溜息。
「やっぱり店長の言うとおりかも。
 あれ、夢だったんですよね。
 そう思うことにします。
 当分男とは付き合いません!
 さぁ、仕事仕事!
 店長、これ、どこに並べます?
 店長、棚卸手伝います。」
仕事に精を出すリサ。

「あんまりにもね、健気に働くもんだから、
 急に不憫になっちゃったんでしょうね。」


「店長、今度のセールなんですけど、」
「店長店長ウルセーよ!!」
竜二は紙袋に店の服を手当たり次第詰め込み、店を出ていく。

「そんな訳で、りゅうが銀次郎のところへ直談判に来たらしいんです。」

銀次郎の自宅に上がりこみ、服をテーブルの上に広げる竜二。
「お前この間言ったよな。これ全部買うって。」
「あぁ、言ったがな。」
「めちゃめちゃ欲しいって。全部買ってもいいって言ったよな。」
「そこまで言ってねーよ。」
「自分・・・よく見たら、どん兵衛んとこの、アレだよなぁ?」
組長を無視し、着ていたTシャツも脱ぎ投げ捨て、
「全部買え!全部で10万!
 ・・・頼むから買ってくれよ。」
「なあ、にいちゃん。息子と何があったか知らんけど、
 ワシはあんたんとこの親父に400万円貸しとるんや。
 こんなバッタ物買えるか!」口を挟む組長に
「親父は関係ねーよ!
 今息子と話してんだ。」
竜二の迫力に怯える組長!(笑)

Tシャツを脱いだ竜二の胸にある、リンゴのタトゥーに気付く銀次郎。
「それ・・・」と指を指す。
「あ、これ・・・。
 なんか面白いかな~と思って彫った。」
「そうなんだ・・・。」
帰ろうとする竜二に、お金は?と尋ねる銀次郎。
「今じゃなくてあとで店に持ってきてほしいんだ。
 袋の中に封筒が入っているから、それれて持ってきてくれ。」

「何も知らない銀次郎は、言われたとおり10万を持って、
 反物屋に向かったそうです。」


銀次郎はが店に入り、店番をしていたリサに気付く。
「そっか。あんたここで働いていたんだ。
 あの、昨日ここの店長にシャツとかトレーナーとか
 買わされたんだけど、これ、そのお金。」
銀次郎は封筒をリサに手渡す。
その封筒には、『給料 2月分』と書かれていた。

用事を済ませ帰ろうとする銀次郎に、リサは言う。
「メール、待ってますんで。
 いくらでも待てるんです。
 男に振り回されるの馴れていますので。
 ・・・ヤバイ。何言ってるんだろう、私。
 お買い上げありがとうございました。」
店に戻っていくリサに、
「アドレスもう一回教えてくんねー? 
 お前この間酔っ払ってたっしょ。
 全然読めねーんだ。」
銀次郎がポケットから取り出したメモには、
ぐちゃぐちゃな字で書かれたアドレスらしき物。
リサの笑顔が輝く。

「男に振り回されたい女、女を振り回したい男。
 これ、需要と供給がバッチリ重なってしまったわけですね。
 となると、こんないい娘を、給金も与えずに雇うなんて
 バチが当たるっていうんでね。
 ま、今度は、暇を与える決心までしてしまった訳です。」


「好きなだけ飲んで下さい。
 今日は私のおごりですから!」
「あのさ、リサ。俺の友達がさ、渋谷で店やるんだ。
 輸入雑貨がメインなんだけど、人手が足りないんだってさ。 
 もしあれだったらさ、」
「私辞めませんよ。もうちょっとドラゴンソーダで働きます。
 服、好きだし。」
店の店主は贔屓にしている前座がいるといい、二人を残し
寄席へ出かけていく。

「ごめんな。」竜二がリサに謝る。
「何が?」
「謝っておかなくちゃさ、またぶん殴られたら」

「私が?私が若旦那をぶつ?冗談じゃありませんよ。
 私の手が曲がっちゃいますよ!」
 
 
「だって、店長のおかげでギンギンと付き合えたんだもの。
 それにあの時騙されていなかったら、きっと、また私、
 ウザい女になっていたかも。
 がっついて、ギンギンに嫌われていたと思う。」

「若旦那大名人ですよ。
 騙してくれて、ありがとう!」
手を合わせ感謝してみせる小虎。


同じく、手を合わせ、竜二に感謝するリサ。
「逃げられないように、大事にするんだ。
 大事にしてもらうんだ。」
幸せそうに笑うリサに、竜二は言う。
「リサ・・・・・。
 ギンギンって呼んでんだ。」
「はい!ギンギンって呼んでいます!」
「そっかー!
 よーし。今日は、飲む!」
リサはグラスを口に付けようとし、そして言う。
「やっぱ、止めておきます。」
「何でだよ。」
「また夢になっちゃうといけませんので。」
客席からは、大きな拍手。
「大したもんだよ!このヤクザ大名人!」
観客の反応に感激する小虎は、客席に向かい深々と頭を下げる。
師匠のどん兵衛も満足げに大きく頷く。
銀次郎とリサも、客席から大きな拍手を贈る。

スナック・よしこ。
「まあ、小虎ね、『芝浜』の原型はほとんど留めてなかったけどね。
 でもまあ、あれだけお客さんに受けたんだから、いいんじゃないかな。」
「ありがとうございます。じゃあ、これ、授業料です。」
どん兵衛が金を受け取り、確認が終わると、いきなり足をテーブルの上に
投げ出す小虎・・・いや、虎児。
「どうも、あの、ありがとうございました。
 あの、今月分お返ししま」
「おい封筒ぐらい用意しておけよ!」
「そうですね。あの、今度は絶対用意します。・・・ここに置きます。」
「おぅ!」
・・・
「でも小虎あれだろ、あんたの話に出てくる反物屋のりゅうって、
 あれだろ、」
「それは教えられねーなー!」テーブルを足で蹴りそう言う虎児。
「まだ債権者・・・?」

竜二と虎児、街で偶然再会。
「上手くいったらしいっすね、『芝浜』。リサから聞きました。」
「うん、まあまあ。」
「よかったっすね。
 ・・・なんかすみませんでした。この前。俺何も知らなくて。」
「いやいやややや。じゃ!」
「なんすか?何焦ってるんですか?
 そりゃ気まずいですよね。ここ思いっきりラブホだし。」
「虎ちゃーん!」ホテルから出てきたのはメグミ!竜二を見て
「あれ?どっかでお会いしましたっけ?」
笑い出す竜二。気まずそうな虎児。
二人は視線を交わし・・・。


銀次郎が落とした財布と、
それを拾った店員のリサ、
リサを心配して嘘をつく竜二。
『芝浜』と、見事にリンクしていました。

虎児が銀次郎に言った、
「女に振り回されるな!女を振り回す男になれ!」という言葉も
銀次郎とリサがカップル成立することで、ちゃんと解決されていました。

「封筒」という小道具も、最後にオチがあったとは!

昨晩、記事をアップしたのですが、今日もう一度見直したら、
つい力が入り、新しい記事のようになりました。(笑)

次週は『饅頭こわい』がお題目。こちらも楽しみです!