대본

タイガー&ドラゴン 第2話

塚本高史 2007. 11. 20. 23:34

タイガー&ドラゴン 第2話

『饅頭怖い』

町内の若い衆の集まりに留が遅れて来た。
ひどく慌てているので聞くと、蛇に飲まれそうになったので
逃げて来たという。
この世で蛇が一番怖いという話から、皆で怖いものの話を始めた。

みんなそれぞれ怖いものの話をしていたが、
ひとり離れて聞いていた熊だけは怖い物はないと突っぱねた。
ところが急に思い出し、実は饅頭が怖かったと言い、
話をしているだけで具合が悪くなってきたと帰ってしまった。
日頃、あまのじゃくの熊を良く思っていない連中ばかりで、
ここは一つ脅かして笑ってやろうと、
それぞれ饅頭を買って来て熊五郎に投げつけてやる事にした。

熊の家まで行くと、寝ているところにまんじゅうを投げつけた。
さぞや慌てるだろうと戸の外でしばらく待ったが、中は静かなまま。
まさか死んだのかと耳を澄ますとムシャムシャと音がする。
覗いてみると、饅頭を食べている。

男「本当は何が一番怖いんだ?」
熊「今度はお茶が一杯怖い」


『どんぐりころころ』に合わせて高座に上がるどん太(阿部サダヲ)。
「はい、どうも。どん太です!ドンタコスじゃありません。
 はい、ドンドンドーン!せーの、新アイーン!」
・・・
全然うけない・・・。
「・・・え~。ここは静かでいいっすね。
 田園調布みたい。」
・・・
全然うけない・・・。

「え~っと。
 我が林屋亭一門に、子虎っていう、ちょっと変なやつがおりまして。
 元は新宿のヤクザなんですが、何を思ったか急に、
 師匠どん兵衛に(西田敏行)弟子入り。
 これがちょっと複雑な過去を持つ男なんですが、
 人間はいたって単純!
 特にいい女を前にするともう野獣!
 いやいやいやいや。ティラノザウルス並の知能しか働かない。
 ようするに、穴があったら入れてみたい、なんですね。
 てな訳でせっかく仲直りした竜二とまた気まずくなっちゃったから
 さー大変!
 と、ここまでが前回のお話。

 ・・・ちょっと時間が余っちゃったんで、小噺をお一つ。
 『ねぇ母さん、どうして赤ちゃんは生まれるの?』
 『それはね、コウノトリが運んでくるからだよ。』
 『じゃ、どうしてコウノトリは生まれるの?』
 『それはね、元巨人軍の河埜選手が運んでくるからだよ。』
 ハイ、ドンドンドーン送りバント。
 えっ!?」
・・・空っぽの客席・・・。ショックを受けるどん太。

「タイガー&ドラゴン!」

どん太(阿部サダヲ)と鶴子(猫背椿)の間に第二子が誕生。
赤ん坊を抱く谷中正吉(=どん兵衛)(西田敏行)も嬉しそう。
「名前はどうするの?もう決めた?」小百合(銀粉蝶)が尋ねる。
「どん太、どん吉、どんつく、どんぶり、
 ・・・お前は何だっけ?」
「うどんです。」
「じゃ、あんたは天どんだ~!」
喜びに沸く谷中家。
「どんちゃんったら、もう噺家にするつもりだ!」小百合が笑う。
「三代目・林屋亭どん兵衛継いでもらわなきゃなー。
 ・・・
 なぁどん太。どん太?」

どん太は部屋に篭り、雑誌を手に呆然としていた。
「どんちゃん!お父さんが名前どうするのって?
 いいの~!?天どんになっちゃうよ~!?」妻・鶴子(猫背椿)が
声をかける。
持っていた本を放り出し、慌てて父の元へ走るどん太。
静子が本を拾ってページをめくると、
『女性が選ぶ抱かれたい男・抱かれたくない男ランキング』という
特集記事が。
その『抱かれたくない男ワースト10』の堂々第一位に、
どん太の名前と写真が掲載されていた。
「出川抜いたよ・・・。」妻が顔をしかめる。
2位は『出川哲朗』3位は、『兵頭4:50』、
抱かれたい男1位は『木田拓馬』でした!(笑)


「太郎は噺家になると決めたわけじゃないんです。」
どん太は師匠であり父でもあるどん兵衛に訴える。
「太郎?案外平凡な名前だね?」と小百合。
「なんか考えすぎて、普通の名前に戻っちゃったの。」鶴子が言う。
「1回、モーツアルトまでいっちゃったしね。」笑いあう夫婦。
「めでたい事が続くじゃねぇか。
 孫は出来るし、どん吉(春風亭昇太)は一枚看板になるし。」
「協会の理事から電話があったのよ。
 どん吉を真打ちにって。」と小百合が補足する。
二人の会話に、一瞬顔色が変わるどん太。
「へぇ・・・。ほ~。ずいぶん急な話だね。」
どん太は動揺を隠し明るく声をかける。
「お先に失礼いたします。」どん吉が兄弟子に頭を下げる。
「え~~~。どうぞどうぞ。真打ちでも堀内でも勝手におなりなさいよ。
 お披露目はいつだい?何なら私が前座をやってあげるよ。
 落語会のプリンスが、華を添えてやるってんでぃ!」
鶴子は夫を心配する。
※一枚看板=一人でも客席を一杯に出来る芸人(=大看板)

ドラゴン・ソーダ。
睨みあう竜二(岡田准一)と虎児(長瀬智也)。
虎「おい!何怒ってるんだよ。」
竜「怒ってねーよ。」
虎「怒ってんじゃねーか。」
竜「怒ってねーのに怒ってるとか言ってっから怒ってんだよ。」
虎「やっぱり怒ってんじゃねーかよ。」
竜「怒ってねーって言ってんだろ!」

「ちょっと落ち着けよ。二人とも俺に言わせればギンギンに怒ってるぞ。」
店にやってきたチビT(桐谷健太)に耳打ちする竜二。
「あーーーーーっ!?テメェ、よくも俺のメグミちゃんを・・・。」

その時虎児の携帯が鳴る。
「もしもし、虎っち~!?今ね、仕事で東京タワーに来ているのー♪
 うん。休憩。
 ねえ、一緒のご飯でも食べない?」
「あ"-!?テメェいちいちそんなことで電話してくんじゃねーよ。
 あ"-!?何なんだよ!
 あ"-!?彼女ヅラしてんじゃねーよ!
 あぁ。じゃあな。」
メグミに凄む虎児。会話になってない二人の会話。(笑)

事の成り行きにショックを受ける竜二。
「あんな足の長い女が、こんなつまらない男と。
 竜ちゃんの方が100倍おもしれーよ!」
そう慰めるチビTの頬を叩き、
「面白くてもダメなんだよ。
 女にとっちゃ面白さなんて、何の意味もねーんだよ!」
二人のやり取りを聞いていた虎児は竜二に言う。
「えーーーっ!?お前あいつのこと好きなの?」

蕎麦屋にて。
竜二と蕎麦屋店主に責められる虎児。
「つーか何でみんなやんねーの?
 女と飯食って酒飲んだら、他にやることねーだろ?
 カッコつけてないでやれよ。」
「・・・何とか言ってやんな。」蕎麦屋が竜二に耳打ちする。
「無理・・・。習慣が違いすぎて何て言っていいかわかんねぇ。」
「なんか俺いけないことしたかな・・・。」考え込む虎児。
「じゃあ、もうやんねーよ。そんなメグミのこと好きだったら。」
「だから好きじゃないって。
 好きなら好きって言いますから、放っておいてください。」

そこへ、どん太が店のドアを開ける。
「何でいるんだよー。」とどん太。
「何で来るんだよー。」と竜二。
帰ろうとするどん太を蕎麦屋は引き止める。
「男二人の兄弟だ。たまには腹割って話すのも悪くないだろう。
 気恥ずかしかったら、俺たちがアシストするから。
 な、小虎?」
「俺、帰るわ。夜の仕事が残ってるんで。お先に。」
「座れよ。」竜二は兄に声をかける。


新宿流星会の若頭・日向(宅間孝行)が堅気の女性・寿子(松本まりか)と
結婚することに。
銀次郎(塚本高史)によると、 寿子はまだ18歳。
この春まで女子高生だったと言う。
組長(笑福亭鶴瓶)の娘・静(伊藤修子)を捨て、寿子を選んだらしい。

土下座して組長と静に謝る日向。
短刀を振りかざし怒り狂う組長。

その時、虎児の電話が鳴り、組長から呼び出される。

「大人気ないのはわかっているが、ワシのメンツが立たない!」
虎児にそう訴える組長。
「で、俺は何を!?」虎児が聞くと
「日向の披露宴で、ハップニングを起こすんや。」と組長。
「え・・・。どうせなら結婚相手怪我させるとか。」
「あほぅ。そんなことしたらお前、日向に悪いやないか。
 ちょっと懲らしめるだけでいい。
 そうすれば、静ちゃんもスッキリするねん。
 なぁ、静ちゃん!」
「うん!すっきりする。」
とっても優しい組長です。(笑)
という訳で、虎児は結婚式で『ハップニング』(笑)を起こすことに。


「どん吉が真打ちになったよ。」弟・竜二に話し始めるどん太。
「なるほどね・・・。それで元気がないんだ。」
「ばーか。あいつ今年で40だぜ。遅すぎる位だよ。」
「でもよ、どん吉は30まで山手線の駅員だったもんな。
 10年で真打ちなら立派なもんだ。」と蕎麦屋。
どーんと落ち込むどん太。
「いちいち落ち込むなよ。
 高座に上がるだけが噺家じゃねーだろう!」蕎麦屋が言う。
「そうだよ。落語家なんて年食ってからいつでも出来るんだからさ、
 今はテレビで顔を売って」竜二の言葉を遮りどん太が言う。
「顔売った挙句の果てが、抱かれたくない有名人第一位だぞ。
 がんばらなきゃダメだ~。
 2児の父だぜ。・・・がんばれ。がんばれ、俺。
 それに比べてお前はなんだ!?
 クールに焼酎ロックで飲める身分じゃないだろう?
 元はといえばお前が店出して親父が借金するから、
 俺が抱かれたくない有名人の称号頂いちゃったんだよ!
 抱かせろ!俺に女を抱かせろ!ぶるんぶるん!」
「やっと調子が出てきたな。」店主が笑う。
クールに焼酎ロックを黙って飲み続ける竜二。

谷中家。
家族・弟子が集まる。虎児の横にいるメグミに見とれる男たち。
小百合に促され、どん兵衛が発表する。
「いよいよ、どん吉が真打ちになることになったんだ。
 我が、林屋亭一門としては初めての真打ち。
 近々お披露目するわけなんだが、その中でやる演目を決めようと思って。」
「虎ちゃんも出るの?」メグミが質問する。
「前座は出ないの。二つ目以上なの。で、アンタ誰?」
「メグミです!」
「メグミさんだって。誰なんだい?」デレデレする男たち。
「今すぐ帰すんで。」虎児の言葉に
「何言ってるんだい!虎ちゃん!虎ちゃん!!帰すことねーよ。」と師匠。
「股下何センチですか?80cm以上ありますか?あるんですね。」
唐突に質問するどん太。
アドリブだったのかな~!?
伊東さんも西田さんも笑っていました。

「そんなことよりもね、虎ちゃん。
 また新しい話を覚えてもらわないと困るわけだよ。
 まだ、借金がある訳だからね。380万もあるんだから。
 『饅頭怖い』やってみるか?」
「え~~~。メグ怖いのやだぁ!」虎児にしがみつくメグミ。
「師匠!その怖い饅頭っていうのは本当に怖い話なのか?」
「演技力によっては爆笑取れる話だ。」
「爆笑・・・」虎児の目の色が変わる。
※二つ目=落語家の序列のひとつ。
     真打.二つ目.前座.前座見習い

師匠の『饅頭怖い』を見に行く虎児とメグミ。
「江戸っ子っていうのはどうもやせ我慢が得意でね。」
「おっ!饅頭怖い!」
蕎麦屋が虎児に小声で言う。

「気持ちいな~。やっぱり一番風呂は気持ちいや。」
「あれ、お客さん、もう入ってるだかね!?
 あの・・・江戸っ子のお客さん。温くねーだか?」
「何言ってやんだい!温いもんか。丁度いいよ~。」
「そうですか。江戸っ子のお客さん。まだ沸かしてないんだけどなぁ。」

客席、大爆笑。大喜びのメグミに
「今のはほんのくすぐりだからよ。」と虎児。

「お、そろってきたな。
 中入って、とぐろ巻いておくれよ。
 今日はな、馬鹿ッ話をして遊ぼうっていう趣向なんだ。
 中入っておくれよ。」
「じゃ、刺身かなんかで一杯やろうってんだ。」
「そんなことは銭の有るヤツの言うこったい。
 渋茶でも入れて~」
「渋茶だ?」
「おっ!トメ!」
「遅いじゃねーかよ。」
「いやぁ驚いた!路地抜けようと思ったら、青大将がいやがって。
 そいつがペロペロペロペロ舌出して俺のことを見てんだよ。
 怖いのなんのって!
 俺は今日という今日は飲み込まれると思ったね。」
一同大爆笑。
「そんな大きな声で笑うもんじゃねー。
 虫がつかねえって言ってな、人間誰でも一つは怖いものを持っている
 ものなんだ。私なんかもうナメクジが出ると・・・」震えだす男。
「お前は何だ?」
「俺は、カエルだね。」
「俺はクモが怖い。」
「俺はね、オケラ。」
「お前~いつもオケラじゃねーか!」
「俺は、アリかな。」
「俺は、ウマだね。」
「また妙なものが怖いんだね。
 おい、松。お前は一体何が怖いんだい。」
「やかましいわい!」
「何もそんな、怒ることないじゃないか。
 みんなせっかく集まって」
「ばかばかしくて聞いてらんないや。
 青大将が怖いってか?
 あんなものはキュッキュしごいて鉢巻にしてかっぽら踊ってやるわ。
 クモが怖いだ?
 あんなものは納豆に放り込んで食ってやるわ。
 糸がひいちゃって大変だ。
 アリが怖いだ?
 あんなものはゴマの代わりに赤飯に入れて食ってやるわ。
 ゴマが駆け出してちと食いづらいがな。
 オケラだろうがウマだろうが、足がいっぱいあれば
 俺は何だって食うんだよ。ほんとだよ。」
「ほ~~~。じゃ、松。おめぇ、このコタツやぐらも食えるのかい?」
「まあ、食ってくえねーことはないが、俺は当たるものは食わねーんだ。」

ウマイ!!

大爆笑の観客・そして虎児。
「今の何が可笑しかったの?」メグミが聞くと
「そんなの俺にわかる訳ねーだろうが。」

「怖いものは無いんだね。」
「ねーったらねーんだよ!」
「本当に無いのかい?」
「しつこいな、おめーも。
 あ!思い出しちゃったよー。
 あんまりしつこいから思い出しちゃったよ。
 あるんだよ、一つだけ。」
「何だあるのかよ。教えてくれよ。」
「言わねーよ。言ったら笑うから。」
「笑わないよ。言っておくれよ。」
「じゃ、言うけど・・・。
 俺・・・
 饅頭怖い」
一同爆笑。
「饅頭ってあれかい?中に餡子の入ってる」
「あ~やめろやめろ!
 あ~!しゃべったら寒気がしてきた。横にならしてもらうよ。
 饅頭怖い!」
一同大喜び。
「ここは一つ、あいつにイタズラしてやろうぜ。」
「乗った乗った!俺前からあの野郎のことが気に食わなかったんだ。
 で、どんなイタズラなんだよ。」
「だからよ、饅頭を山ほど買ってきてよ、
 枕元にずら~っと並べるんだ。」
「イッシッシッシッシ・・・・」
「およしよ、およしよ。
 だってさ、饅頭の話をしているだけであんだけ青ざめちまうんだよ?
 饅頭見たら目~むいて死んじまうよ。 
 それこそ、餡(暗)殺だよ。」

「おい松、起きてごらんよ。」
「何だよ人が気持ちよく休んでいるのに。
 わっ!饅頭だ。怖いよー。
 あ~~~怖い。あ~~~~怖い。」饅頭を一口。
「栗饅頭、怖いよ~」また一口。
「蕎麦饅頭。蕎麦饅頭、怖いよ~。」とまた一口。

観客、大爆笑!!

その頃。
「この中に一つだけ、わさびの入ったお饅頭があります。」
テレビに出演するどん太は、アタリを口にし、
「あ~~~~!!」と泣き叫んでみる。

「おい!あの野郎怖い怖いって言いながらむしゃむしゃ饅頭食ってるぞ!
 俺たち一杯食わされたんじゃないのか?」
「おい松!お前、世の中で一番怖いのは何なんだい?」
「へっへっへっへ。今は、濃いお茶が怖い。」

観客から拍手の嵐。虎児は立ち上がりスタンディング・オベーション。

一方、楽屋に戻ったどん太。
雑誌を広げると、『結婚したくない有名人』『上司にしたくない有名人』
『恋人にしたくない有名人』『今年中に消える芸能人』
『消えて欲しい芸人』のどのランキングにも自分の名前が。
そして、『嫌われキング』とまで書かれたことにショックを受ける。
他にランキングされていたのは銅清日、小泉純二郎、
ピロキ、波多夕区、兵頭4:50、SALA,ちゃんなど。
凝っていますね。(笑)


竜二は虎児に電話をし、今夜会えるか尋ねる。
「わかった。じゃ、10時におでん屋で。」
「絶対に、1人で来て下さいよ。」
虎児の隣で「おでん♪おでん♪10時におでん♪」とはしゃぐメグミ。
「わかった。」電話を切る虎児。
「メグミ、ハンペンが食べたいな~。虎次郎~。」
「何でもいいけど呼び方統一してくんねーかな。」

屋台のおでん屋。元通りになってる!
「ずっと気になってたんですよ。
 この間あんた帰ったあとアニキめずらしく弱ってて。
 最近テレビでも行き詰まってるみたいで。」
「そうか?普段どおりだけどな。
 今度どん吉兄さんの前座に出るって。」
「やべーな。」おでん屋と竜二は声を合わせて言う。
「稽古の段階は面白いんですけどね、高座に上がると全然ダメなんですよ。
 プレッシャーに弱いんですかね。」竜二が説明する。
「え?でもテレビではメチャメチャ受けてんじゃん。」
「あれはテンパリ芸ですから。
 実はギリギリの精神状態でやってるだけなんすよ。 
 アー見えて超、ネガティブ思考なんですよ。
 結婚してずいぶんマシになったけどね。」
「鶴ちゃんの方が全然売れていたんだもんなぁ。」
鶴子が昔演歌を歌っていたと知り驚く虎児。
見せられたCDには『抱いて国際通り2』!
「オヤジは名人。弟は天才。女房は売れっ子だろう? 
 こりゃ、ストレス溜まるよなぁ。」おでん屋はそう言う。

鶴子はどん太の様子が変なのに気付き、少し仕事を減らして
休むように言う。
どうやら鶴子は仕事復帰を考えているらしい。
その言葉に余計に傷付くどん太・・・。

再び、おでん屋。
「そろそろ本題に入っていいっすかね。」竜二が虎児に言う。
「待てよ、じゃ、今までの何!?マクラ?」
 やっぱ、俺・・・好きなんすかね。
 好きになったら自分で言うっていったじゃないですか。
 あれからずっと考えていたんですよ。
 やっぱ俺・・・好きみたいですわ。」
「好きって言われても・・・。
 あっ!好きって・・・メグミのこと?
 なんだびっくりした。俺のことかと思った。」と虎児。
「馬鹿じゃないっすか!?」
「てか、俺に告んなよ。本人に言えよ。」
虎児が指を指した方向には、車の中で待つメグミ!
「何でいるんすか!
 1人で来いって言ったじゃん!」
その時虎児の携帯にメールが届く。
日向からだ。
『事務所で待ってる。』とギャル文字で書かれていた。
竜二とメグミを残し、虎児は事務所へ戻っていく。
「はじめまして!」メグミが車の窓を開け挨拶する。
「全然はじめましてじゃねーよ!」
「ごめんね。顔にインパクトがないから、全然覚えられなくて。」
「こっち来りゃいいじゃん!」
竜二&メグミ、どうなる!?
※マクラ=噺の本題に入る前、時事ネタ等で会場を和ませるもの
     定型化されたものも多い

「隠してもわかるんだ。
 親父に何か言われてるんだろう。」日向が凄む。
「あ・・・あのぅ。披露宴であのぅ・・・」と虎児。
「暴れろって!?」
「いや、暴れませんよ。ハップニング起こせって。」
「ちっちぇーなー・・・。」
 で、どうすんの!?」急に口調を帰る日向。
「俺は日向さんに拾われた恩もあるし。」
「俺に付いたら親父のメンツも立たねーぞ。」
「またメンツかよ・・・。」
「100%ヤクザの俺が半年かけて向こうの親説得したんだよ。
 生涯の伴侶ぐらい自分で決めてーだろ!
 なんかいい方法ねーか!?」虎児の胸元を掴み訴える日向。

おでん屋。
「大根と~、たまごと~、ちくわぶ~!」
車の中から竜二に注文するメグミ。店主はすでに酔いつぶれていた。
「ハンペンは?」
「食べる~♪」
「じゃ、味が染み込んでるのと、パンパンに膨らんでるのと、どっち?」
「パンッパンに膨らんでるやつ~♪」
「てかさ、降りろよ。」
「え~!だって寒いんだもん!」
「てめ~青森だろ。ほらっ。」車のドアを開ける竜二。
「・・・てかさ、座んねー!?
 この身長差じゃ勝てる気しねーわ。」
「寒い~!!」竜二に寄り添うメグミ。
「トラボルタが見たら、ヤキモチやくかなぁ。」
「トラボルタって呼んでるの?」
「呼んでないよ。いっただっきま~す♪」
「あのさ、俺そんなに存在感ないっすか?
 覚えられないくらいなら、嫌われた方がマシなんですけど。
 一応抱かれたくない男No.1の弟だし。」
竜二はメグミに告白する。
「悪い。先に言っておくけど、俺すっげー回りくどいから。
 洋服けなされた時、すっげームカついてさ。
 あんたのこと探して、押しかけたじゃん。
 あのメンツの中じゃ顔にインパクトない方かも。
 でも好きでも嫌いでもなかったら、別にそこまでしねー
 訳じゃん。
 これ(タトゥー)、まだ消してねーんだよ。
 金がないせいもあるけど、自分の中で諦めきれねーっていうか。」
おでんに夢中なメグミ。
「悪いっ。わかんねーか。」
「えっと~。えっと~。」
「竜二。」
「竜二さんって、本当はすごーく優しい人なんでしょ? 
 あのね、メグミみたいに、地方から出てきた女の子は、
 えっと~。」
「竜二。」
「竜二さんみたいに、優しい男の人に弱いの。
 でも、同時に、虎っちみたいな、冷たい男にも憧れるの。
 本当はね、え~と、
 竜二さんみたなタイプの方がメグミには会うのかもしれない。
 え~っと」
「竜二だよ!てめぇわざとだろ!」
「竜二さんって、突っ込むの上手だね!」
「そんなんで誉められたって全然嬉しくない!」
「はっ!すごい事言っていい?
 虎ちゃんと、竜二さんって、タイガー&ドラゴンだよね!」
「あぁ、そうねー。」
「だから仲が良いんだ~!ね!すごくなーい!?」
「すごいからだまってな。だまってー!
 俺の話を聞けー!!」
「はい・・・。」
見つめあう二人。竜二が告白しようとした時、
おでん屋の主人が寝ぼけて大声を出す。
「帰るね。楽しかった。」
「俺も、楽しかった。また・・・飲もうぜ。」
握手をする二人。
「あっ、連絡先!」竜二の言葉に
「虎ちゃんに聞いて♪」とメグミ。
「聞けねーよ、バカ。」

お披露目当日。
前座のどん太の姿が見当たらず、慌てるどん兵衛。
窮地を救ったのは着物を着込んだ鶴子。
鶴子の歌に、観客は大喜び。
弟子たちがどん太を探し回る中、竜二と小虎が居場所を突き止めた。
コマチ・ヘアという店の奥で膝を抱え座り込んでいた。

師匠や弟子たちの前で土下座をして謝るどん太。
「どうすんだよ。
 どん吉のせっかくの宴にとんでもないケチつけちゃったんだよ。
 破門と言われても文句のつけようがない!
 向いてねーんじゃないのか。
 タレントに専念したらどうなんだい!」
師匠に叱られ返す言葉も無い。
竜二が父と言い合う。
「待てよ。アニキだってホントは落語をやりてーんだ。」
「出てった人間が口を挟むな。」とどん兵衛。
「アニキも追い出すつもりか!俺の時と同じじゃないか。」
「竜平はお前とは違う。女房も子供もいるんだ。」
「だから破門なんかすんなって言ってんだ。
 古典なんて年食ってからいつでも出来んだろー!」
「そんな甘いもんじゃないんだよ!
 お前さんたちは何かっていうと、
 古典なんか年食ってから出来るっていうけど、
 若い頃から古典ばっかりやってきた私の人生は
 無駄だっていうのか

 冗談じゃねーよ。若いからっていばるんじゃないよ。
 お前たちはただ逃げ道こさえて楽してるだけじゃねーか。
 洋服だの、テレビだのにうつつ抜かして、
 毎日を無駄に過ごしているだけじゃねーか。
 そんなんじゃ、年食ったって古典なんて出来るわけねーじゃないか。」
「誰がやるって言ったんだよ。
 誰が落語なんてやるって言ったんだよクソジジイ!
 誰もおめーの跡なんて継がねーんだよ。
 おめーがそうやってエラそうにふんぞり返っている限りな、
 誰もおめーの跡なんて継がねーんだよ!」
「実の親を捕まえておめーおめーって、このチンピラ!」
親なのか師匠なのかわかんねーからイラつくんだよ!」
弟を止めるどん太。
「おめーがカッカする程、なんだかやりきれねーよ。」
どん太はもう一度土下座をし、妻やどん吉に謝る。
「ただ・・・今後のことはもう少し考えさせて下さい。
 あと・・・お母さんが泣いています。」
慌てて妻を気遣うどん兵衛。

家を出ていく竜二に虎児が声をかける。
「なんかダサいっすよね。すいません」
「いや。全然ダサくないよ。
 こんなこというとまた直球だと言われるかもしれないけどよ、
 親子っつーもんはよ、なんかよ、いいもんだな」
「直球っすね。」
「落語も面白いけど親子もおもしれーよ。
 俺はほら、落語も親子も経験ねーから、
 今お前のオヤジんところで勉強している最中だ。
 だからよ、竜二。また来いよ。
 で、さっきみたいなのを俺にいっぱい見せてくれよ。」

「やっぱあんたには勝てねぇかもしれないな~。
 メグミちゃんが言ってたよ。
 虎児さんとオレは、タイガー&」
虎児の携帯が鳴る。
「もしもーし。」
「出んのかよっ!」

日向にファミレスに呼び出される虎児。
「どうすんだ虎。披露宴来週だよ。」
「わかってますよ。組長にも散々言われているし。」
「は~。やっぱ延期するしかねーか。」日向の言葉に
「え~~~っ!!」と寿子。
「予定通りやったほうがいいっすよ。
 オヤジは俺が適当になだめておきます。」銀次郎が言う。
「お前らに迷惑かけるわけにはいかない。」と日向。
「なんなんですか?」と寿子。
「これ・・・」
虎児は寿子の携帯にどん太のマスコットがついているのを見つけ・・・。

高座に上がる小虎。
「タイガータイガーじれっタイガー。
 えー。江戸っこってーのは」

「『饅頭怖い』だね。」と客。
「はい。『饅頭怖い』やります。」と虎児。

「えー。今は新宿歌舞伎町ってあたりで、色男のヤクザがおりまして、
 頭が切れる若頭なんですが、年端もいかない娘と祝言を挙げることに
 なったわけです。
 ここで、大きな問題がございまして、その若頭、親分さんの娘と
 長い間、恋仲だった。
 自分の娘を捨てた若頭に、何とか一杯食わしてやろうってんでね、
 親分さんが考えあぐねていますと、」


親分の家。
テレビを見ていた銀二郎はテレビに映るどん太を見ながら
「なんでこいつが売れてんのかな。」と言う。
そばでスピーチの本を見ていた組長はテレビに視線をやる。
「これ、谷中んとこの倅とちゃうの?」
「ギャグとか全然面白くないし、とくに女に嫌われてんです。
 日向さんの奥さんも嫌いなんだって。
 生理的に受け付けないって。
 こいつの顔見ただけで、吐き気がして、
 ひきつけ起こしちゃうんだって。」

「『ほんまかー。それはいい話し聞いたでー。』
と、若いもんを早速呼んでね、策を練ったわけです。」


「日向のコレなぁ、どん太のこと嫌いらしいで。」と組長。
「ああそうですか。まあ全国的に嫌われていますからね。」
虎児が答える。
「日向の披露宴にどん太を呼んで余興させるのはどーや!?」
「えーーーっ!?そんなことしたらエラいことになりますよ。」
「こりゃ見ものだろう。デヘヘヘヘ。」

虎児はどん太に余興の依頼をする。
「結婚式の余興?」
「そうなんですよ。自分が世話になっている人なんで断れなくて。」
「ホントに俺でいいの?とん吉の方がいいんじゃねーの?」
「兄さんですよ。兄さんがイイんですよ!」

「この芸人、安楽亭ぼん太と言いまして、
 江戸じゃ嫌われ者で有名でして。
 嫌われてるってーのは、それだけ売れてるって証拠なんですが、
 本人はそれなりに悩んでまして。
 で、そこで、弟である反物屋の竜の所に相談しに行った訳です。」


ドラゴンソーダ。
弟竜二を訪ねるどん太。
「落語教えてくれ。」
「マジで言ってんの?」
「ああ。とびっきりの渋いのを教えてくれ。」
そう言いどん太は頭を下げる。

「さて。気付いていらっしゃる方もいらっしゃるでしょうが。」
「ねえ!どん太来てるの?来てるんでしょ?写真撮りたい!」
結婚式当日。
花嫁衣裳を身につけた寿子はどん太が余興に来ることを知り
はしゃいでいた。

「今も昔もマニアってーのはいるもんでして。」

「どん太が来たら、どんなに嬉しくてもキライな振りをするんだ。
 嫌がれば嫌がるほど、ギャグが冴えるんだよ。」
虎児と日向は訳を話し寿子を説得する。

「そんなこととはつゆ知らず・・・。」

1人余興の練習を繰り返すどん太。

「ハプニングうははははっ!」と上機嫌な組長。

余興が始まった。
「TVでもお馴染み、林屋亭どん太さんの登場です!」

どん太の登場に、「いやーーーっ!」と叫ぶ寿子。

「えーっ。今日は、テレビではお見せしない落語を。」
どん太が話し始める。
「きゃぁーーーっ!」寿子が叫ぶ。
「約1名、嫌がってる方がいらしゃいますが・・・。」
「気にすんな!続けろ。」竜二が声をかける。
「えー。その昔、江戸と」
「いやーーーーっ!!」
「どん太キモーーい!!」大声で叫ぶ寿子。
その言葉がエコーして聞こえるどん太。
「どん太、最悪ーーーーっ!!どん太、だーーーーいっ嫌い!!」
「どん太、脱げーーーーーーっ!!」組長が叫ぶ。
「脱ぐな兄ちゃん!」竜二は引き止めるが、
「入りましたー!どんどんどーん!」一気に脱ぎ、どん太、大暴れ!
心配する竜二に
「まあ見てろって。」と声をかける虎児

「もうこうなると、ぼん太の独壇場!
 水を得た魚のように。
 いやいやいやいや。
 ダムが決壊したように、暴れまくりまして。」


「はっはっはー!
 これが俺の本業だー!!
 待て花嫁~!」
花嫁・花婿を追い掛け回すどん太。

ご満悦の組長に、
「ねぇパパ、あの子、本当に嫌がってる?」と静。
「やっべ。」と銀次郎。
「なんや喜んでおるやないか。どないなってんや銀次郎!」
怒り出す組長。

「なるほど。『饅頭怖い』だ。」と竜二。

「おう、お前ら。このワシを騙しやがったな。
 嫌い嫌いって、めちゃめちゃ喜んでるやん!」


「お前どん太のファンやろ?」組長が寿子に聞く。
「え~~~。嫌いですーこんな人~。」
「嘘つくな!ほんなら他に、何が嫌いか言うてみぃ」
「えっと~。あとは、庭付き1戸建てと、ドイツ製のキッチンと、
 プラズマTVが、嫌い。」
組長は顔を近づけ寿子を睨みつける。
寿子も目をそらさない。
じっと見守る日向。
日向の後ろに隠れるどん太。

「わかった。買うたるわ。」
会場から拍手が沸き起こる。
「ありがとうございます。」日向は組長に何度も頭を下げる。

「あとね~。かわいい赤ちゃんが、大っ嫌い。」
「そりゃ、自分でなんとかせんかい!」


客席から拍手が沸き起こる。
日向と寿子、どん太と鶴子も拍手を送り続けた。

純喫茶・よしこ。
「俺としてはなかなかね、堂にいっていたと思うよ。」と師匠。
「おぅっ。ありがとうございます!」と虎児。
今月の授業料を師匠に渡す虎児。
「私は何よりお金が大嫌い。わははは。
 噺の中に出てきた安楽亭ボン太ってのは、うちのどん太のことだろ?
 ってことは、反物屋の竜ってのは・・・」
「それは教えられないっす。」虎児はそう言い席を立ち、店を出て行く。
返済を迫られなかったことを喜び、ポケットに金をしまいこむ師匠。
虎児がイスを蹴飛ばしながら戻ってきた。
「今月分!」
「そ・・そうだよね。だから今」
「お前封筒用意しとけって言ったろう!」
「忘れちゃったよ忘れちゃって。裸でいいですか?」
泣きそうになりながら金を渡す師匠。

そば辰。
テレビに映るどん太を見ながら
「見た感じあまり変わってねーな。」と虎児。
「迷いがないぶんマシなんじゃないですか?」と竜二。
「そろそろ本題に・・・。
 この間メグミちゃんと二人っきりになったじゃないですか。
 そん時、また会おうね♪ってことになってですね。
 彼女の携帯番号・・って、聞いてんのかよっ!」
虎児の視線の先に、1人の男が座っている。
「なんか・・・ただモンじゃないって感じですね。」と竜二。
「あれは、ただモンじゃねーぞ。」と虎児。

「あんたが、林屋亭小虎かい?」
そう言い、汁をつけずにそばを食べる謎の男がいた。


第2話も面白かった!
ただ見てるだけだと、私にとってはちょっと難しい所もあるんで、
ブログ書きながら、面白さを噛みしめています。(笑)
現代と、落語と、落語の中のお芝居と、行ったり来たりで
あらすじ書くのが大変!
一応、高座で話している部分は色分けしてあります。

しかし毎回、落語の世界の設定を現代に変えて、うまく物語が
作られているな~と感動してしまう!
『饅頭怖い』は知っていたけれど、それを披露宴でのハップニング(笑)と
繋げるとは!
長瀬君のモノマネ入り落語も楽しいです。

落語とは別の所で、ホームドラマ的な要素も好きです。

「親なのか師匠なのかわかんねーからイラつくんだよ!」
これが竜二の心の叫びなんだろうな~。
生まれながら背負ってしまった運命。
竜二に少し同情してしまいます。

そして、竜二の「落語なんて年取ってからいつでも出来る」という言葉が
その道で生きてきた父親のプライドを傷つける。

とても仲の良い家族だから、早くお互いを認め合えるようになると
いいな。

虎児とメグミと竜二の三角関係、どうなるんでしょう。
今は虎児が1歩リードしていますが、竜二との2ショットもいい感じでした。

さてさて。あなたは、何が怖いですか!?(笑)


参考にさせていただいたサイト
ご隠居さま