대본

結婚できない男 第7話

塚本高史 2007. 11. 21. 00:30

結婚できない男 第7話

『親戚づきあいが嫌いで悪いか!!』

信介(阿部寛)の部屋。
慣れないネクタイを締めようとしながら悩む信介。
「・・・どうやんだっけな・・・。」
結局ネットで『ネクタイの結び方』を検索。

『~イケてる大人の常識~
 ネクタイの結び方』

というページで、イラスト入りで解説している。
それを見て、鏡を見ながらグレーのネクタイを結ぼうとするが、
わからなくなり、絵と同じ向きになり挑戦。
なんとか結ぶことが出来た。
が、長さがチグハグ。
何度かやり直してようやく完成!


悪戦苦闘の末、どうにか家を出ると、散歩に出てきたみちる(国仲涼子)に
「めずらしいですね!ネクタイなんか締めて。」と声を掛けられる。
「オヤジの三回忌なんだ。
 死んで2年なのに、なんで3回忌って言うんだろうな。」
「・・・あの、ネクタイそれでいいんですか?
 三回忌って、まだネクタイ黒だったような・・・。」
「まったく・・・冠婚葬祭ってやつは・・・。」
信介はそう呟きながら部屋に戻っていく。

「親切で言ってあげたのに、感謝がない・・・。」

信介、みちるに教えてもらえてラッキーでしたね!
私も子供が中学に入ったとき、ネクタイの結び方をインターネットで
検索し、プリントアウトしてあげました。(笑)
男の人でもずっと結んでいないと、忘れちゃうものなんですかね!?


法事の席でも親戚に結婚していないことを散々突っ込まれゲンナリする
信介であった。
同居の話になり、信介と同居するよりも娘の圭子(三浦理恵子)たちとの
方が100倍マシ、と言う育代(草笛光子)。
圭子もその気らしいが、夫の良雄(尾美としのり)は複雑そう。

その帰り道。
「会うたんびに同じこと言っているよ、あの連中は。」と信介。
「あなたが言わせているんでしょう。」と育代。

「ちょっとパパ!さっきのリアクション何よ!
 顔引きつってた。やっぱり同居したくないんでしょう!」
圭子に問い詰められる良雄。
「心配しなくても、
 私今の家を離れるつもりないの。
 死んで、お位牌になったら、同居させてもらってもいい?」
「ええ。是非!」と良雄。

「この八墓村から早く出たいんだ。」
信介は圭子たちの車に乗らずに単独で帰っていく。
「お位牌になっても、あの子と同居はごめんだわ。」
育代が呟いた。

事務所に戻った信介。
二世帯住宅を依頼中の客との打ち合わせ。
「玄関別々にすんのか!?」
「当然だろ。
 二世帯住宅だからって、プライバシーは必要だし。」
親子で意見が食い違う。

客が帰ったあと、うんざりとした様子の信介。
「結婚すれば、親や親戚との付き合いが、
 単純計算しても倍に増える。
 自分の親だけでも面倒なのに。」
そうこぼす信介。
「私はお姑さんの前でいい嫁を演じるの、楽しそうって思っちゃうな~!
 お母様っ!・・・なんつってね!」
「姑を毒殺しそうな嫁だな。」ぼそっと言う信介。
「雑談はこれくらいにして、仕事しましょう!」
「悪い。気分が乗らない。
 夏バテかね・・・。」

具合が悪い信介が向う場所といえば、やっぱり、夏美(夏川結衣)の診察室。
「夏バテですか・・・。」
「ええ。」信介、コットンを整理しながら。
「私もです。」
「え?」
「なんか体がだるくて、力が湧いてこないんですよねー。」
「患者に症状を訴える医者を初めて見ましたよ。」
「夏バテくらい誰だってなるってことです。
 規則正しい生活をして、睡眠と食事をちゃんと取る。
 水分補給を忘れない。
 そうやって、解消するしかないですね。」
「やってますよ、それくらい。」
「継続して下さい。」
「医者は・・・無力。」
「いちいち憎まれ口たたかないと診察受けられないんですか!?」
「夏バテでも怒るエネルギーはあるんですか。へへ。」
「・・・次の患者さんの為に、エネルギー温存したいんで、
 この辺で。」頭を下げる夏美。
「ここに来て、余計、バテましたよ。」
夏美は信介に出口の方を手で示す。

あーもう、2人のやり取りが楽しい!!

信介が夏美の診察を終え、ロビーに行った信介は、エアコンの温度設定を
下げて欲しいと受付の女性に頼む。
「すみません。寒いとおっしゃる方がいらして・・・。」
一人の男性が、寒いので温度を上げろと言っている。
自分の意見をめずらしく引っ込める信介。

ロビーの席は、その男性の隣しか空いておらず。
信介は仕方なくその男の隣に座る。
その男性が、夏美を目撃するなり、急に立ち上がる。
なんとそれは夏美の父・康雄(竜雷太)であった。
「・・・何してんの、ここで。」
「お前に話があってきた」康雄。
「私、忙しいのよ。」
「少し話す時間くらいあるだろ。」
夏美は康雄の隣に信介がいることに気づき、
「ないの!
 さあ、いらして下さい。
 検査の結果にちょっと問題がありまして。」
と強引に信介を連れ出し、逃げてしまう。

「すみませんでした!」
「誰ですか?」
「父です。それじゃあ。」
そう言い信介と別れる夏美。

この時の信介の表情!
「父親か。どの親も子も。」って感じ?


そこへ、康雄がやって来た。
さりげなく康雄から逃げようとする信介。だが康雄は付いてくる。
振り返ると、「お大事に。」と声をかけ、康雄は帰っていった。

信介の事務所。
夏バテのせいか、発想がわかないとこぼす信介。
パソコンで金田のサイトを開くと、
「あ、金田更新してる!」と英治(塚本高史)。

『いきつけのバーで
 新しいカクテルにちょっとトライ』

「相変わらず呑気なやつだ。
 悩みはないのか。」と信介。
その画面を見つめる英治は、あることに気づく。

英治はみちるに連絡。
「その写真に女の手が映ってるだろ?」
「・・・あれ!?このブレスレット!」

千鶴(SHEILA)がやって来た。
彼女の腕にあるブレスレットは、まさしく、
金田の写真に映りこんでいるものと同じ!
「・・・ふーーーん。」

ビヤガーデン。
「一回会っただけだってー!」と千鶴。
「金田はどうでもいいの。
 私に内緒で抜け駆けするのがどうかと思うわけ。」とみちる。
「その件はもういいじゃん。」と英治。
「自分がみちるに言ったくせに!」

沙織(さくら)がみちるたちに相談し始める。
「あの、ちょっと聞いてもらってもいいですか?
 この人、結婚したら相手の親と同居するのは嫌だって言うんですよ。」
「え!?結婚するの!?」
「しないけど。」
「結婚もしないのにそんな文句を言われてもねー。」と英治。
「結婚する、しないじゃないの。
 考え方の問題。
 なんだかショックで。」
「うーん。私も。
 彼氏に、お前の親と同居するの嫌だなんて言われたら、
 なえるなー。」とみちる。
「じゃ、聞くけど、
 結婚して姑と同居してもいいと思ってんの?」と英治。
「私はパス!嫁いびりされたら嫌だもーん。」と千鶴。
「相手によるな。
 結婚相手がちゃんとした人なら、
 その人のお母さんだってちゃんとしてるはずでしょう?
 同居して上手くいかないはずないと思う。」とみちる。
「いいこと言う!」と沙織。
「そんなの理想論だろ?」
「いいの。まだ先のことなんだから理想論言ってて!」

信介は仕事の帰り、いつものビデオ屋にいた。
DVDが並ぶ棚に置かれた他の客のポーチを、わざわざどかさせる
(しかも二度!)信介です。


夏美は自分のマンション玄関に父の姿を見つけ、慌てて引き返す。
康雄、信介のように手すりをポンポンやってます。(笑)

「ごめん。
 何も聞かないで、今夜泊めて。」
夏美はみちるの家に泊めてもらうことにした。

「どうせお見合い話持ってきたに決まっているの。
 30過ぎて、世間体が悪いから、結婚しろしろってうるさくって!」
「お見合い、すればいいんじゃないですか?
 私は一回ぐらいお見合いしてみたいなー。」
「父が持ってきた話で、良かった試しがないのー。
 真面目だけがとりえで、今ひとつ面白みに欠ける人ばっかり!
 しかも、奥さんには専業主婦になってほしいと思っている人とか。」
「結構古いタイプの人なんだー。」
「親戚の誰それちゃんは、もう子供2人産んだ。
 医者なんかやってるより、その方がよっぽど親孝行だって。」
「まあ、親なんて、大体そういうこと言いますよ。」
「3年前に母を失くしたでしょう。」
「そうなんですか。」
「抑える人がいなくなって、ますますガンコで口うるさくなって。」

コンビニ。
信介はゆっくりと野菜ジュースに手を伸ばし、4本鷲づかみ!
ビールを取ったところで、康雄と再び鉢合わせ。
「確か病院で!」
とぼけようとする信介。
「いや、あなただ。」
「あー、そういえば・・・。」
「酒なんか飲んじゃダメでしょう。」
「何でそんな。」
「病気でしょう、あなた。」
「ああ・・・。」
「失礼ですが、ご病気は何ですか?」
「あなたには関係ないでしょう。」
「ありません!
 しかし、病人が酒を飲むのを見過ごすわけにはいかん。」
「・・・」
仕方なく、信介はビールを棚に戻した。

自動販売機でビールを買おうとお金を入れ、ボタンを押そうとしたとき、
ガチャンガチャンとお金が戻ってくる。
康雄が返却レバーをひねったのだ。
「・・・もうじゃあ正直に言いますよ。
 僕はね、単に夏バテで病院に行っただけで、
 さっきあなたの娘さんに、成り行きで、調子を合わせただけです。」
「夏美とはどういう関係ですか?」
「何の関係もありません。」
「関係ないのに、どうしてあんな嘘に付き合う必要が?」
「ただの知り合いです。それじゃあ。」
ビールを購入し、帰ろうとする信介の後を付いていく康雄。
「あれ?まだ何か?」
「あなたにお願いがある。
 話を聞いてもらえませんか?」
「急ぎますんで。」
早足で歩く信介の後を、必死についていく康雄。

翌日。
夏美はみちるの化粧道具に興味津々。
そこへ、信介から夏美の携帯に電話が入る。
「あの・・・
 今日、会えますか?」
「え?私とですか?」
「まあ・・・。」
「何の為に?」
「会うのに、理由が必要ですか?」
「え?」
「会いたいんです。どうしても。」
「・・・わかりました。」

みちると一緒に玄関を出ると、そこで信介と鉢合わせ。
「あ・・・そこにいたのか。
 じゃあ、13時、AQZカフェで。」信介はそう言い出かけていく。

「なんだー。電話桑野さんからだったんですね。」
「うん。」
「隠すことないのにー。」
「別に隠してなんか。」
「会うんですか?」
「なんか、会いたいって。」
「デートですか?」
「違うでしょう・・・。」
「でも、なんか挙動不審でしたよ。
 どうします?プロポーズとかだったら!」
「まさか!!」

午前の診療を終えた夏美は、看護師たちにデートかと聞かれて
動揺しながら待ち合わせの場所へ。

信介はまだ来ていなかった。
席に付き、メークを直す夏美。
そこへ信介がやって来た。
「どうも。」
「こんにちは。」
「こんにちは。」
信介はアイスロイヤルミルクティーを注文。
「あの・・・
 どうして、お父さんを避けるんですか?」
「どうせ見合い話持ってきたに決まってます。」
「見合いぐらいいいじゃないですか。
 年も年だし。
 話があるだけマシですよ。」
「あなたに言われたくないんですけど。」
「一人娘なんだし、早くお父さんに孫の顔でも見せてあげるのが、
 親孝行ってもんです。
 あなたね、相手が再婚でも文句言える立場じゃないんですよ。」
「・・・そんな話する為に呼び出したんですか?」
「亡くなったお母さんだって、さぞかし心配しているだろうな。」
「母がなくなったこと、あなたに話しましたっけ?」
「・・・」

「俺が話したんだ。」
夏美の後ろの席に隠れて座っていた康雄が言う。
「え!?」
「お前がお父さんの話を聞こうとしないから、
 この人に頼んで、呼び出してもらったんだ。」
「何であなたたちが結託しているんですか。」
「結託なんかしてませんよ。
 この人が、あんまりしつこいもんだから、
 仕方なしに、協力したんです。」と信介。
「そんな言い方したら、身も蓋もない。
 仕方なしっていうわりには、今夏美に、
 私の言いたいことを全部、代弁してくれたじゃないですか。」
「普段自分がそう言われているもんですから。」
「こんな手の込んだことしなくても、
 結婚の話、しに来たんでしょう!?」
「うん・・・まあ・・・。」
「結構です。親不孝ですいません。」
「周りの人にもこういう態度なんですか?」康雄が信介に聞く。
「そうです。」
「嘘です。あなたたち2人にだけです。」
「あ。じゃあ僕はこれで。」信介が席を立つ。
「お礼はまた改めて。」と康雄。
「結構です。」
信介は店員が持ってきたアイスミルクティーを、
「それキャンセル。」と言って帰っていった。

「余計なことだけはするんだから・・・。
 ・・・じゃあ。」夏美も席を立とうとする。
「何で父親の話が聞けないんだ。」
「じゃあ聞くから、さっさと話してよ。」
「それが父親の話を聞く態度か。」
「今度の見合いの人、どういう人?
 どうせお父さんの好きな公務員でしょう?
 ワンパターンなんだから。」
そう言いそっぽを向く夏美。
「・・・もういい。帰れ。」
「そう?・・・それじゃあ。」
二人は喧嘩になり、夏美は店を出て行ってしまう。

「やれやれ・・・。」
そう呟きながら歩く信介の脇を、猛スピードで走り抜けていく
スポーツカー。
「金田?」

信介がコンビニに立ち寄ると、そこにまた康雄がやって来る。
「夏美のやつ全く聞く耳持ちません。」
「そうですか。」
信介がコンビニを出ても、その後を付いていく康雄。
「まだ何か?」
「ホテルが向こうなんです。」
「じゃ、僕こっちなんで。」
「あ、せめて、あなたが聞いてくれませんか?
 私が夏美に何を話そうとしたのか!」
「どうして僕に。」
「いいじゃないですか、菊くらい。」
「・・・しょうがないな。」
「ただし、夏美には私から直接言いたいんです。
 あなたから中途半端に情報が漏れないようにして下さい。」
「ご心配なく。
 僕とあの人の間に、コミュニケーションはありませんから。」
「絶対に?」
「はい。」

夏美、みちる、英治がビアガーデンで飲んでいる。
みちるは、信介が誘った理由がデートでないと知りがっかり。
「でも、桑野さん、何でお父さんの頼み聞いたんだろう。」
「偏屈な割りに小心者だから、自分より押しが強い人がいると
 負けちゃうんだよ。」

なるほど~。
だから病院でのエアコンの一件も、すんなり引き下がったんですね。


愛犬KENが吠える方向を見ると、そこになんと人で来ている信介を発見。
「一人ビヤガーデン・・・。」
サンバのダンサーたちに囲まれても、一人黙々と枝豆を食べる信介。

見かねて英治が信介の携帯に電話をする。
「こっち来ませんか?」
三人の姿に驚く信介。夏美の怒ったような顔を見つめ、
「いや、いい。」
夏美は英治の携帯を奪い、
「そこに一人でいられると、気になって飲めないんですけど。」

信介を同じテーブルに呼び出した夏美は
「お見合い話に決まっている」と康雄の話をぶり返す。
しかし康雄の上京理由を知っている信介は「違うな」と一言。
だが、それ以上のことは約束通り話さない。
「何で、夏美さんのお父さんん、義理立てするんですか?」とみちる。
「単に、私とケンカしている人の見方したいんでしょう?」と夏美。
「あ~。」納得する英治とみちる。
「しっかし驚いたな。
 あのお父さんに、あんな秘密があるなんて!」
信介はそう言いながら、KENに野菜スティックのキュウリを食べさせる。
「勿体つけないで教えてくださいよ!」とみちる。
「秘密だ。」
「何でですか?」
「いいのよ、もう!」と夏美。
「結婚したら、こんな揉め事が毎日続くのか。」そう笑う信介。
「誰もあなたなんかと結婚なんかしません!」
「一般論だ。」
「一般的にこういうことはめったにないと思いますけど。」と英治。
「・・・・・」

その後信介は一人、いつものバーへ。
店を覗き込むと、金田がいた。嫌な顔をする信介。

金田はいつものように、別の女性といた。
「私の両親と会ってくださらない?」
「まだ、早いんじゃないかな。」
「パパにあなたのことを紹介したいの。ダメ?」

金田の困った様子に嬉しそうに笑ってしまう信介。

「パパが、田園調布のお家を建て替えしたいって。」
「是非、会わせてほしいな!」

信介の顔から笑みが消え去る・・・。

どうしても康雄の上京理由が知りたいみちるは、
マンションに戻って来た信介に、おすそわけの肉まんをダシに
聞きだそうとするが効果はナシ。

二世帯住宅を依頼していた客は、家族間で意見が分かれたまま。
父親が、どうしても玄関は一つにすると言い張っているらしい。
結果が出るまで、作業は中止することに。
空いてしまった時間、摩耶(高島礼子)は信介たちに
丸山神社の盆踊りに行ってきたらどうかと提案する。
「くだらんね。」

浴衣姿で丸山神社の夜店の中を歩く夏美とみちる。
「お父さんのキャラ聞いていると、難しそうですね。」
「男って、どいつもこいつも、どうして素直じゃないのかなー。」
「どいつもこいつもって、サンプル少なすぎですよ。」
「そうだけど。」夏美が笑いながら答える。
KENが行こうとする方向を見て驚く2人。
なんと信介が子供たちに混じり、金魚すくいに挑戦している。
「サンプルその一!
 一人で金魚すくいやってるー!」とみちる。
「すくって飼うのかな、金魚。」

「まず上下を確認する。
 紙が貼ってあるほうを上にする。
 逆だと、水がたまって破れやすいからな。」
信介のうんちくに素直に従う子供。
「そして、ターゲットを決め、網を、斜めに入れる。
 そして金魚の下に網をもぐりこませる。
 ここで大切なのは、下手に動かさないことだ。
 問題はここからだ。
 金魚と一緒にすくう水の調節。
 金魚の重みで網が破れないよう、金魚を、端に乗せる。」

「やったー!おじちゃん、ありがとう!」
子供は見事成功し大喜び。
だが信介は・・・網が破れてしまった。
「・・・もう一回!」
「あんた、去年もいたね。
 これサービス。」
店の人に覚えられている信介だった。
「頑張って。」子供も声援を送る。

夏美たちはあきれ返り、その場を去る。
結局信介は次の網も破いてしまった。
「・・・モナカ、ない!?」

その帰り、信介は一人レストランへ。
店員は信介の姿に、嫌な顔。
信介は6人用のテーブルの真ん中に腰掛ける。
そして、灰皿の中にそっと金魚が入ったビニール袋を置く。
「いつもの。ミディアムで。」そう注文する信介。

店員が置いたナイフとフォークを真っ直ぐに置き直す信介。
そこへ、6人の客がやって来た。
席が離れてしまうと聞き、6人の客は信介の背中をしばらく見つめたあと、
出ていってしまった。

信介はそういうところに気が付かないんですね。

口笛を吹き、金魚を時々見つめながら家に戻ると、康雄が待っていた。
「まだ何か?」
「いや、もう何も。
 ただ、これを夏美に持ってきたんですがね。
 ご当地のうなぎサブレ。
 良かったらあなたも。」
「いえ、いただく理由はありませんから。」
「わざわざ持ってきたんです。」
仕方なくそれを受け取る信介は、そのお礼に、
みちるからもらった肉まんをおすそ分け。

2人で肉まんを食べながら、康雄が聞く。
「あのことを、夏美に話しましたか?」
「話してませんよ。」
「え?何で?」
「話すなって言ったでしょう?」
「話すなって言ったって、話すでしょう?普通。」
「何言ってるんだろう、この人は。
 わかりました。じゃあ話しますよ。」
「話さなくていい!」
「わかんないな。」

そこへ、みちると夏美が一緒に戻ってきた。
康雄は慌てて姿を隠す。

2人は信介が持っている金魚に「取れたんですねー。」と微笑む。
「金魚、もう一匹取ってあげてください。
 一匹じゃかわいそうでしょう?
 この子もパートナー欲しいと思いますよ。」
「一匹取る苦労をあなたは知らないんだよ。」
「この子のために!」
夏美に見つめられ、信介は・・・。

このシーンは、お好み焼き屋さんで夏美が信介に
「あなたって本当に仕方のない人ですね・・・」
というようなことを言ったシーンと似ている気がします。


後日、腹痛に襲われた信介が、夏美の診察を受けると
“食あたり”と診断される。
原因として疑わしいのは、みちるにもらったおすそわけだけ。
「あ!!
 あなたのお父さんも食べましたよ。
 多分・・・向こうも今頃・・・。」
「・・・知りません。あんな人。」
「そうですか。それじゃあ。」
「ちょっと待って下さい。」
夏美は父親の携帯にかけてみるが、父は出ない。
「まあ、具合が悪かったら、自分で病院に行くでしょう。」と信介。
「・・・そうですね。」
「あと3つ残ってたなー。
 あれ全部一人で食べちゃったんじゃないかなー。」
「・・・あの人どこですか?」
「えーっとホテルの名前、確か聞いた気がしますねー。」
「思い出して下さい。」
「確か、あんな人知りませんって言ってませんでした?」
「いいから!」
「・・・エドワードホテルだ。」
「エドワードホテルですね!」
「エイドリアンホテルだ。いや違う、これはロッキーだ。
 ビクトリア・・・王朝系の名前だったな・・・。
 えーーっ・・・。
 ルノワール、これは喫茶店か。」

HOTEL NORMAN
康雄が泊まっているホテルに白衣のまま駆けつける夏美と信介。
部屋を何度もノックしてやっと出てきた康雄は
信介と夏美の顔を見てビックリ。
「往診です。」

康雄もやはり“食あたり”を起こしていた。
「確かに朝から腹はゆるいが、往診を頼むほどではない。」
「いいから、横になって。」
素直に従う康雄。
「変なもん食わせやがって。」
「全部食えとは言ってませんよ。」と信介。
「やっぱり食あたりね。
 暫くは、お腹に優しいものを食べて下さい。」
夏美の往診する姿に康雄は「医者なんだな・・・。」とつぶやく。
「当たり前です。」
すると夏美の目に、結婚式場のパンフレットが目に留まった。
「何コレ?」と憮然とする夏美。
「結婚するかどうかもわからないのに、
 こんな心配をしなくても結構です!」
「誰がお前の結婚式の心配なんかするか!」
「え?」
「・・・俺の結婚式だ。」
「お父さんの?」
「山歩きの会で知り合った人でな、
 いい人なんだ。」
「・・・なら、そういえばいいのに。」
「きちんと話をして、認めて欲しいと思ったんだ。
 それをお前、」
「ちゃんと話そうとしないから。」
「ちゃんと機構としなかっただろ!」
「・・・・・
 おめでとう。
 私も式、出ていいんでしょう?」
「バカ。当たり前じゃないか。
 お前も出られるように、式を20日にした。」
「え?何で、20日が、私の非番だって知ってるの?」
「この間病院に行ったとき聞いた。」
「・・・」
「あとは、お前の結婚だな。」
「まったーっ!」

「それじゃあ、僕はこれで。」
「このたびはいろいろと、ほら、お前からも。」
「・・・ありがとうございました。」
「あなたも、早くいい人を。
 なんなら、私が見合いの話を。」
「結構です。
 ご自分が結婚するからって、人を道連れにしないで下さい。」
信介はそう言い帰っていった。

信介たちに二世帯住宅を依頼した客は、模型を見せられて満足気。
リビングとキッチンは、二世帯共用スペースとした。
予算の都合上、そうしたと主張する。
「それにやはり、家の中には、みんなで話をしたり、
 触れ合ったり、ケンカをしたりする場が
 あってもいいんじゃないでしょうか。」
摩耶の言葉に納得する父親。
息子夫婦も、予算が足りないのなら、と納得した。

部屋でクラッシックを聞きながら、指揮者になりきる信介。
そこへ、康雄の結婚式の引き出物を持った夏美が訪ねて来た。
「どうせ一生使えそうもない絵皿かなにかでしょう。」
「ピンポン。
 まー、いいじゃないですか。
 気持ちの問題だから。」
夏美に言われて受け取る信介。
「しかしわかんないなー。
 何で2回も結婚したいのか。」
「すごくいい人でしたよ。
 結婚したくなる気持ち、わかります。」
「まああの年なら、相手の親との付き合いもないしね。」
「それがね、向こうのお母さん元気なんです。
 87歳でぴんぴんしてて、
 この人がまたガンコな性格なの!」
「つまり、あなたと結婚する男は自動的に、
 あの頑固オヤジと87歳の頑固婆さんと付き合う
 ハメになるってことですか。」
「そうなりますね。」
「ますます縁遠くなりそうですね。」
「余計なお世話です。」

そんなやり取りを聞いていたみちるが言う。
「夏美さんのお父さんって、どっか桑野さんと似てません?」
「うーん。微妙に違う。 
 うちの父は頑固。
 桑野さんは偏屈。」
「2人とも変だっていう点では似てるでしょう?
 縁があるんですよ、そういう人と。」
「私、待つわ。
 普通の人と縁が出来るのを。」そう決意を固める夏美。

一方、部屋に戻った信介も、夜店で悪戦苦闘して捕った金魚に向かって
「結婚なんかすれば、気は使うし、水は汚されるし、
 酸素も半分だ。
 やっぱり一人の方がいいよな。な?」とつぶやいていた。

※一部公式HPあらすじを引用しました。

今日のテーマは親子。

法事での親戚づきあい。
信介と育代。
圭子と良雄。
夏美と康雄。
信介の依頼者の家族。
金田とガールフレンド。

いろんな面からそれぞれの家族の関係を取り上げていて、
本当に脚本が上手いなーと、素人ながら感心しています。

信介と康雄が似ていて、楽しかったです。
夏美と育代も上手くいきそうだし、
2人が結婚したら楽しい家族になれると思うんだけどなー。
育代も本当は、信介と一緒に暮らしたいんでしょうね。


※今月中に引越しが決まり、バタバタしています。
暫くこまめにお返事など出来なくなりますがお許し下さい。

'대본' 카테고리의 다른 글

結婚できない男 第9話  (0) 2007.11.21
結婚できない男 第8話  (0) 2007.11.21
結婚できない男 第6話  (0) 2007.11.21
結婚できない男 第5話  (0) 2007.11.21
結婚できない男 第4話  (0) 2007.11.21